以前にも書きましたが、私は友人の死がきっかけで初めてパニック発作を起こしました。

 

>> 友人の死、そして東日本大震災 パニック発作から鬱状態へ

 

身近な友人の『死』をきっかけに私はパニック障害となり、やがては鬱状態へと進んでいったのでした。



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友人の死から自分の死へ

友人の死からどうやって私のパニック発作に至ったのか。それは友人の死をきっかけに『自分の死』について考えたからでした。

人間だれしも自分の死について一度は考えたことがあるはずです。そして「考えただけで恐ろしい」と恐怖した経験は誰にでもあるはずです。通常この「自分の死について考える」という流れは恐怖を感じてもいつの間にかまた違うことを考え、何事もなかったかのように通常の生活に戻ります。

しかし、いつまで経っても「死」のことが頭から離れず、四六時中「死」について考えてしまい、気分が滅入り、やる気や食欲がなくなり、睡眠がとれなくなり、生活に支障が出てきてしまうほどに思考を「死」に支配されてしまう状態があります。このような症状をタナトフォビア(死恐怖症)と言います。

今思うと私の場合もタナトフォビアであったと思います。病院で正式にタナトフォビアだと診断されたわけではないですので。ちなみに最近ではタナトフォビアの方を“タナラー”と言うそうで(^^;

私とタナトフォビア

私が初めてパニック発作を起こした200×年の頃、先にも書いたように、友人の死をきっかけに自分の死について四六時中考えていました。

 

自分が死んだらどうなるんだろう。無になってしまうってどういうことだろう。自分も死ぬんだ。いつか必ず 『100%』 死ぬんだ。嫌だ、そんなの嫌だ。怖い。怖い怖い怖い!自分が死ぬのが怖い!!

 

ふと気づくとこの繰り返し。朝起きて夜眠るまで一日中。ご飯を食べてても仕事をしてても車を運転してても。時には夢でも考えてしまい「うわぁああっ!!!」と言いながら夜中に飛び起きたこともありました。

 

精神科の先生にも何度も「自分の死が怖い、頭から離れない」と訴えましたが、話は聞いてくれるものの抗不安薬を処方されるだけで決定的な改善はありませんでした。カウンセリングも受けましたが「死」に対する答えなどどこにもありませんでした。

 

インターネットで死について調べたり、図書館で死について調べたりもしました。もちろん死んだ人が書いた本などないので答えなどどこにもありませんでした。

今でこそインターネットで検索していれば「タナトフォビア」という言葉が多く見られるようになりましたが、当時は検索しても滅多には見られない言葉でした。それでも死についてインターネットで調べまくっているうちに、あるサイトで「タナトフォビア」という言葉を目にし、自分自身はこのタナトフォビア(死恐怖症)なんだとそこでやっと気付きました。

しかし、自分がタナトフォビアなんだとわかってからも答えのない日々をただただ過ごすのでした。



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タナトフォビアと対処法

現在、私の症状は生活に支障がないほどかなり軽くなりましたが、それでもごくたまに、ふとした瞬間に「自分の死」について考えてしまい具合が悪くなってしまうことがあります。死に対する恐怖というのは精神的にものすごいダメージがあるようで、一気に具合が悪くなります。これは私の経験から本当のことで、死への恐怖というのは非常に精神的エネルギーを消費してしまうようです。

それでも以前に比べると比にならないほど今では死について考える頻度が減りました。

 

この記事をご覧になっている方というのは、おそらく今現在タナトフォビアで苦しんでいる方だと思うので、私なりのタナトフォビアに対する対処法を載せてみます。少しでも参考になればと思います。

まず、タナトフォビアになる人はこういう人が多いのではないかと思います。

  1. 自意識過剰
  2. 自分の考えに自信がある
  3. 幽霊や宗教など非科学的なことは信じない
  4. 宇宙や時間が不思議でたまらない

 

1. 自意識過剰

タナトフォビアに限らずパニック障害などの不安神経症になりやすい人は自意識過剰な人が多いと思います。自我が強いと言い換えたほうがいいかもしれません。自分に意識が集中しすぎている状態です。そして頭の中で常に忙しく“『自分』と思われる者”がしゃべっています。

この“『自分』と思われる者”が他の人よりもおしゃべりな状態なのが自意識過剰=自我が強い人です。

 

どういうことかというと、1つ例を示してみます。

試しに、今静かに目をつぶって「1分間何も考えない」でみてください。少しでも何か考えたらアウトです。

 

どうでしょうか。これが出来る人はなかなかいないと思います。

きっと頭の中で「何も考えないぞ、何も考えないぞ、何も考えないぞ」とか「こんなことして何の意味あるんだろう」とか「そういえば明日の授業の準備しなきゃな~」とか「今日あの人ムカついたな」など、次から次へといろんなことが自動的に浮かんでくると思います。

これは自動的なところがミソです。

実は人間の思考と言うのは、そのほとんどが自分自信が考えているようで実は“『自分』と思われる者”勝手にしゃべっています。実は自分は“『自分』と思われる者”に考えさせられているんです。ここに気付くことが第一歩でありすべてと言っても過言でありません。

タナトフォビアで死の恐怖におののき、何度も繰り返される自分の思考も、自分が考えているようで実は“『自分』と思われる者”が勝手にしゃべっています。

 

「自分が死んだらどうなるのか」

「自分が死んでしまったらこの意識はどうなるのか」

「永遠に自分がなくなってしまうってどういうことなのか」

「怖い、怖い、怖い!!!」

 

タナトフォビアの人は自動的にこんなことを繰り返し考え苦しんでいることでしょう。こんな思考の繰り返しで、どんどんどんどんどんどん精神的エネルギーが消耗していきます。結果として、タナトフォビアの症状が現れ、パニック障害などの精神的な問題が起きてくるようになります。

 

この自意識過剰の流れを食い止める効果的な方法の一つが 瞑想 です。いきなり宗教臭いですか?大丈夫です。私は宗教大っ嫌いですから。そんな話はしません。

 

瞑想というのは、何も考えないことを実践することです。宗教のお話しじゃないです。ちょっとここで瞑想について書いてしまうと長くなりそうなので、今回は“瞑想”というものがタナトフォビアには効果的なんだということを覚えておいてください。

瞑想を習慣として実践していると、だんだんと“『自分』と思われる者”が勝手に無駄口を叩かなくなっていきます。これを繰り返していると自然とネガティブなことを思い浮かべる機会が減り、脳(精神的エネルギー)の消耗が減り、どんどん体調も良くなっていき、良好な正のスパイラルに入ることができます。

この瞑想はガッツリやる必要はないです。たまにやってみる程度で十分効果がありますよ。しかも非常に簡単に実践することができます。

 

瞑想に関しては今後また詳しく書いてみたいと思いますが、気になる方はネットで検索してみてください。タナトフォビアの方には、瞑想という方法があるんだと知れただけでもこの記事を読んだ意味があるはずですよ。

2.自分の考えに自信がある

私もそうですが、タナトフォビアやパニック障害などになりやすい人っていうのは上でも書いたように自意識過剰な(自我が強い)タイプの人が多いし、自分の考えを曲げないちょっと頑固な人が多いように思います。

精神的疾患になったときは脳(精神)から「ちょっと自分の考え方を変えたほうがイイよ」というメッセージが発せられていると考えたほうがいいようです。下に書くことにも繋がりますが、【今見ている、知っている、感じているこの世界がすべてではない】という考えを持つと気持ちが楽になりますし、そういう態度でいるといろいろな情報をスムーズに受け取りやすくなります。

3.非科学的なことは信じない

幽体離脱や臨死体験、幽霊、魂の存在。

タナトフォビアの方はこれらのことを信じていない方が多いのではないでしょうか。自分の意識は複雑な脳神経のネットワークで起こる電気信号によって作られている。だから死んだらこの意識もなくなり永遠の無となってしまう。

だから世の中で言われているような死後についての非科学的なことが信じられない。信じられないがゆえ、死後は無でしかありえないという確固たる結論を自分の中に持つことになります。

死後は無であるという考え

何と言ってもタナトフォビアになる方は死後のことが気になって仕方ありません。でも死後は無が待っている。どう考えてもそれしかありえない。誰が何と言ってもそれが事実じゃないか。まわりの人がなんて言おうと死んだら無になるという事実を私は知っている。

 

でもどうしていいかわからない。そんな事実が怖い。怖さを克服できるだけの答えが欲しい。でもどこを探しても答えなんかない。

 

そんな自分の考えと現実(と自分が思っていること)の間で苦しむことになります。その苦しみこそがタナトフォビアの源泉となっています。

宗教だって信じられない

世界中に数多にある宗教はこの“自分の死への恐怖”に対する各人の1つの答えなのだと思います。ですがタナトフォビアの方は宗教も信じられません。宗教を信じることができればどんなに楽か。私もそう思ったことが何度もあります。

宗教でよく言われる「信じる者は救われる」とはまさにそうで、信じたもの勝ちなんです。それができずにあがいているのがタナトフォビアの方なのかもしれません。

私も宗教に何か答えがないかと何ヶ月もいろいろな宗教について調べてみたことがありました。ですが、当たり前のことですが、宗教の教義と言うのは“すべて”生きている人間(教祖)が考えたことです。またはその弟子達が修正したり加筆したりしたものです。

 

なんで生きている人間が死んだあとのことが分かるの?

 

冷静にそんなことを考えてしまう私がいました。実際に死んでみて、死後の世界を見てきた人なんてこの世にただの一人もいないんです。臨死体験がありますが、これは仮死状態から回復した人の体験ですから本当に死んだ体験ではないし、あくまでも臨死の体験です。

臨死体験については著名な医師が実際に自分で体験した話が有名ですが、これもきっと医学的な理由が必ずあるはずです。

と、そんなことを考えている私ですが、タナトフォビアの方は私のように臨死体験も信じられないんじゃないでしょうか?

 

宗教は結局生きている人間が考え出したことであり、それに共感したものは救われ、そうでないものは自分の考えだけが拠り所となる。けれどもそんな自分の拠り所となる考えが“死んだら無”という絶望的な結果となることを認めざるを得ない。そしてそれを救うべく確かな答え(情報)がない。タナトフォビアの方はそんな中でもがいているのではないでしょうか。

4.宇宙や時間が不思議でたまらない

そして、自分の死についてひたすら考えていると必ず行き着くところがあります。

 

宇宙(私たちの生きるこの世界)の不思議です。

 

「そもそも自分のいるこの宇宙は何なんだ」

「宇宙の始まり、宇宙の終わりはどうなっているんだろう」

「宇宙の果てはどうなっているんだろう」

「この世界は不思議過ぎて頭が変になりそうだ」

「怖い、怖い、怖い!!!」

 

これはもう考え出したら切りがないです。本当にこの世(宇宙)は不思議でいっぱいですね。でも逆に言うとタナトフォビアにならずにごく普通に暮らしていたら、こんなにも深くこの世界について考えることはなかったんじゃないでしょうか。ある意味、ポジティブに考えれば、そんな機会を与えてくれたタナトフォビアに感謝すべきなのかもしれません。



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タナトフォビアは克服はできない

ここまでタナトフォビアについてつらつらと書いておいて私が言うのもなんですが、タナトフォビアを完全に克服することはできないでしょう。でも、辛くない程度にタナトフォビアとうまく付き合っていくことは必ずできるようになります。

 

私の経験から言うと、タナトフォビアに対する効果的な対処法は3つありました。

  1. とことん“タナトフォビる”こと
  2. 瞑想を活用すること
  3. 自分の死生観を持つこと
とことん“タナトフォビる”こと

1つ目はとことんタナトフォビること。

タナトフォビアになると恐怖でおかしくなりそうなこともあるでしょう。何か対策はないかといろいろと頑張ってみても、何をしたってダメなときはダメです。これは私の経験からもそうでした。だからあきらめましょう。思いっきりタナトフォビっちゃいましょう。

苦しんでいるうちにぽつんぽつんとその恐怖に対するヒントのようなものが自分の周りに現れます。私の経験ではそれが現れるタイミングは、タナトフォビアに対する答えや対策を一生懸命必死に追い求めているときよりも、疲れ果てて諦めたときが多いように思います。

私がなぜそう感じたのか。それは必死に答えを追い求めているときは答え(ヒント)が身の回りにあっても目に入らない(または自分の腑に落ちない)からです。タナトフォビアで苦しんでいる絶頂期というのは何に対しても盲目になってしまっているからです。

ですから非常に苦しいときはそのまま流しちゃいましょう。

死ぬのが怖い?わかります。私もそうです。怖くて怖くて仕方ありませんでした。普通の人にはこの怖さはわかりっこない?そうですね。私も周りの人を恨むほど「なぜ私だけ。なぜみんなは怖くないの?」と恐怖の中で窒息してしまいそうな時期を過ごさせてもらいました。

タナトフォビアと必死で戦っている方に今こう言ってもしょうがないかもしれないですが、タナトフォビアとうまく付き合えるようになるときが必ず来るはずです。走って疲れたらまた違う世界が見えてきます。

瞑想を活用すること

上の方でも書きましたけど、瞑想は本当に効果があります。瞑想をするという行動自体にも効果がありますが、瞑想というものを勉強していくと自分というものがどんなものなのかわかるようになってきます。何度も言いますがこれは宗教のお話じゃないです。

瞑想(理論や実践)を通してタナトフォビアによって恐怖する自分というものを客観的に見られるようになっていきます。自分の恐怖心というものをよく知れるようになるし、その恐怖心がどこから沸いてくるのかわかるようになってきます。

自分の死生観を持つこと

タナトフォビアの恐怖心に対する対処法はいろいろと見つかるでしょう。でもタナトフォビアの方にとって最も重大な問題は“自分の死後”についてです。

何よりもこのことに対する答えが欲しいはずです。それ以外の対処法はいわばその場しのぎのものになってしまいます。

そこで、私なりの答えを書くと、自分にとって自分の死後は絶対にないということです。永遠に“自分の死後”はありません。自分は自分の死を絶対に体験することができません。自分は自分の死を体験することが永遠にないから“自分の死後”について考えてもしょうがないということです。自分が体験することのない“自分の死後”についてずーーーっと考えているよりも、どうやったら楽しく生きていけるかということを今では考えられるようになりました。

 

インターネットでよくある相談サイトなどで「死への恐怖」について本気で相談されている方に対して、「死があるからこそ生きている今が輝くんです!ウフッ」なんて何も本当の死の恐怖を知らないくせに綺麗ごとを書いている薄っっっぺらな回答を多々見かけますが、私の場合は死ぬほど考え抜いた末の答えです。結局は、「やっぱり生きている今をどうやったら楽しく生きられるかなんだな」と思えるようになりました。

 

これは私の死生観の1つですが、タナトフォビアと付き合っているといろいろな死生観を持つようになります。だからってタナトフォビアが治るわけじゃないですよ。うまく付き合えるようになります。

タナトフォビアとうまく付き合うためには自分の死生観を持つことです。そのためには右往左往しながら苦しむこともあります。長い時間苦しむかもしれません。1つクリアしたと思ったらまだ納得がいかず、さらに悩んでしまうことだってあるでしょう。それでも少しずつ前進して自分なりの死生観を持っていくことこそがタナトフォビア、つまり自分の死と向き合う最大の対処法となります。

 

あ、そうそう、最重要問題の“自分の死後”についてですが、答えはないです。断言します。どこを探しても答えはありません。なぜならこの世の誰も知らないからです。どこかの宗教の教祖様なら嘘を本当のように教えてくれると思いますが。

答えのないことで悩むより、答えのないことで悩む自分というものを知ることこそがタナトフォビアとうまく付き合っていく最大の対処法だと思います。

 

タナトフォビアで苦しむ方へ

私もタナトフォビアです。あなたのその苦しみは心の奥底からわかります。その苦しみを感じているのはあなただけではありません。この世はまさに不思議なことだらけ。あなたが苦しむ理由はきっとあるはず。走り疲れたその先にあなたなりの答えがきっとあるはずです。今は恐怖のどん底にいてもいつか明るく笑って毎日を過ごせる日が必ず来ます。今より強くなったあなたがそこに居ます。

あなたにとって私のメッセージが何かのヒントになれば幸いです。

 

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